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統合医療やまのうち小児科・内科

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「腸」のおはなし5
 
1.食事はゆっくりよく噛んで食べる。 
2.冷たいものを飲んだり、食べたりしない。
3.食事中はお茶やお水をたくさん飲まない。
4.食事は楽しんでいただく。
5.農薬、添加物は食べない。

(前回からの続き )

4.食事は楽しんでいただく。
 今回は「食事は楽しんでいいただく」ということについて考えてみたいと思います。
 ここまで、いかに胃腸での消化吸収を妨げないようにするか、というお話をして来ましたが、もしかするとこれが最も重要なことかもしれません。食事を楽しんでいただくことと「病気」がダイレクトに関係しているとは、なかなか結びつかないかもしれません。なぜ、これが一番大事だと考えるようになったかというと、やはり心の問題が体の症状にダイレクトに影響していることを患者さんを診察する度に感じるからです。その理由は大きく3つにまとめられます。
 1つ目は、胃腸が消化吸収する働きは自律神経(交感神経と副交感神経)によってコントロールされているということです。胃腸の働きを良くするのは副交感神経の働きで、一方交感神経は精神的に、肉体的にストレスがかかった時に働いて、胃腸の働きを止める作用があります。さらに強いストレスがかかると、胃の血流が悪化して部分的に虚血状態になり、場合によっては1日で潰瘍が出来ることもあります。イライラしていること自体よろしくないのですが、その状態で無理に食事を摂ることは、胃腸への負担を増やすことになり、更に事態が悪化することになります。逆に、リラックスしている時は胃腸の蠕動運動が増し、消化吸収の働きが高まります。
 2つ目は、心がここにあらずの状態で食べると、食事の適量を守れなくなります。ストレスを感じている時、心は「今ここ」から離れて、過去の後悔をしてみたり、未来の心配をしています。交感神経優位の状態だと、胃腸の動きも悪いので、食事量は減ってしまうことが多いですし、逆にストレスによって感覚の異常が起きて満腹感を感じなくなり、食べ過ぎてしまうこともあります。その状態が長引くと当然身体に不調をきたすことになります。

 3つ目は感謝して食べることです。これは精神論・見えない世界の話になるかもしれませんが、食べ物に感謝して命をいただくということを食事の度に意識してほしいということです。「いただきます」という言葉に「一滴の水にも天地の恵みが加わっております。一粒の米にも万人の力が加わっております。みなさんの命をいただき、皆さんの分まで生き続けます。ありがとうございます。」という言霊を込めて合唱してみてください。無意識にお腹を満たすだけの食事とは全くちがい、食材のエネルギーや関わった人々の想いまで自分に取り入れることができます。
 食事を摂る時、人は五感のすべて、視覚、触覚、味覚、嗅覚、聴覚を総動員していますし、過去に食べた時の記憶も蘇ります。食事そのものを楽しみ、その上で他者とのコミュニケーションも楽しむことができます。この時間を大切に過ごしたいですね。
(次回に続く)

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