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統合医療やまのうち小児科・内科

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「バース・トラウマ」について 続き
私たち夫婦は、バーストラウマが分娩前後の西洋医学的な医療の介入によって起きる可能性があることを知っていたので、長男の出産の際はできれば信頼できる助産院で産みたいという希望を持っていました。佐賀から通うのは大変でしたが、助産師の世界では有名な福岡県の春日助産院さんにお願いすることができたので、安心してお任せできました。日常の過ごし方から食事、運動の大切さまで丁寧に教えて下さいます。現代人、とくに田舎に住んでいると、移動はすべてクルマということが少なくないため、歩く時間が極端に少ないので、初産婦さんは3時間の散歩をすすめられます。食事や体の状態については今までの知識で納得のいくことばかりでしたが、運動不足の解消は楽をすることを覚えた体には、結構過酷でした。仕事の都合がつく時は、一緒に歩いていましたが、暑い日等は、結構こたえます。しかし、これも出産のための大事な筋肉を養うためなので、妻は頑張ってウォーキングをしていました。「お産の家」で有名な吉村正先生(日本の自然分娩の先駆者)は、雑巾がけや窓ふきなどの肉体を使う家事労働に加えて、1日2、3時間の散歩と1日300回のスクワットをすすめておられます。

 ついでに吉村正先生のお産の3原則を紹介しておきます。「ゴロゴロ、パクパク、ビクビクしない」です。

 1つ目の「ゴロゴロしない」とは、妊娠がわかった時から、先ほど紹介したような、家事労働や散歩、スクワットをできるだけたくさんしなさい、ということです。医学的な異常がない限りは少しお腹が張っても、安静にせず、体を動かすべきだと吉村先生はおっしゃっています。

 2つ目の「パクパクしない」とはカタカナ食をやめて、和食の粗食にしましょう、ということです。カタカナ食とは「おかあさんはやすめ」に代表される洋食のメニューのことです(オムライス、カレー、サンドウィッチ、ハンバーグ、ヤキソバ、スパゲティ、目玉焼き)。

 3つ目の「ビクビクしない」とは、お産に関する本や様々な情報に左右されずに、できることをやって、後は女性に本来備わった生む力を信じて、のんびりした心で過ごすことです。「天にまかせてなるようになる」という心境が大切だとおっしゃっておられます。

 話を元に戻します。何よりも重要なのが、できるだけ医療の介入を避けたお産をすることです。バーストラウマのところで解説したように、自然なお産ではない方法で出産した場合、子どもの潜在意識になんらかのトラウマを作ってしまう可能性があるため、医学的な異常がない限り、できるだけお産の流れを自然に任せた方が良いようです。分娩台で明るいライトに照らされてお産することが、妊婦さんや生まれたばかりの赤ちゃんにストレスを与えると考える方もいます。薄暗い畳の部屋で、お母さんが一番生みやすい体勢で、いきみたい時にいきむという、自然なお産が、母子共にストレス無くお産ができる環境だと思います。今の医療は、訴訟などの問題もあり、より安全でより効率的な方向に向かいますので、どうしても、早く分娩させて、異常があれば素早く医療的な処置をしてしまいがちです。生まれてくる赤ちゃんと、産むお母さんが「共に作り上げるリズム」でお産をすすめることが、バーストラウマをつくらない条件の1つになります。

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