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統合医療やまのうち小児科・内科

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「バース・トラウマ」とは

今回は、バーストラウマについてお話しします。

 バーストラウマとは、出生時心的外傷のことで、無意識である赤ちゃんでも、出産前後の出来事によって、トラウマ(心的外傷:心の傷のこと)を受けることがあるという考え方です。夢分析で有名な精神科医ジークムント・フロイト先生の弟子であるオットー・ランク氏は、出生そのものが心の傷になっている事に気づき『バース・トラウマ(出生時心的外傷)』という考え方を提唱されました。生まれる前の赤ちゃんは、子宮の中でおそらく安心感に包まれていたはずですが、出産時に「窒息」「仮死」「恐怖」などを経験することで、生まれながらに精神的なストレスを受けると指摘されました。

 さらにトランスパーソナル心理学のスタニスラフ・グロフ氏はバース・トラウマをうける時期によって4つの段階があると分析しました。
(出典)http://homepage.mac.com/iihatobu/work/breathwork2.html

第一段階
母親との融合出産が始まる前の子宮の状態羊水の中で静かで暖かくなんの心配もいらない天国の状態。対応する心理的傾向として、無条件の愛、一体感、永遠の至福など。一方母親の病気、アルコール中毒や精神疾患、中絶の試みなどの両親から望まれない妊娠等、否定的な身体的、精神的条件がある場合は、不愉快な身体感覚、嫌悪感、世界に対する恐怖や脅威を感じやすい。

第二段階
子宮口が閉じたままの子宮の収縮出産がはじまり全方位から胎児が締め付けられる。子宮から閉め出されそうになるが子宮口が閉じているため出られない。出口なしの状況。対応する心理的傾向として、罪悪感や劣等感、無力感、犠牲者、閉所恐怖や地獄体験などのイメージを形成する時期とされる。

第三段階
産道の通過子宮の収縮が続き、子宮口が開き産道を通過する体験。もっとも困難で苦痛に満ちた体験、産道の締め付けに押しつぶされそうな体験、窒息しそうな体験。胎児は、刻々と姿勢を変え、苦痛に満ちたこの窮屈な状態から逃れようとする。自分が死につつあるというリアルな感覚を体験する。対応する心理的傾向として、自己破壊的衝動、攻撃性、競争、窒息、虐待、暴力的性衝動、などのイメージにつながるとされる。

第四段階
母親からの分離緊張と苦痛が徐々に高まりそして突然の解放とリラックスを体験する。対応する心理的傾向として、再生と救済の感覚、苦行を乗り越えたという達成感、天上的なエクスタシーなど。

 すこし難しい表現もありますが、以上がバーストラウマの概略です。すべての悩みの根っこに、バーストラウマが関わっており、またその人の人格にも影響を及ぼすと言われています。バーストラウマがなくなれば、世界から戦争がなくなるという人もいらっしゃいます。

 では、どうすればバーストラウマを減らし、なくすことができるでしょう。

 そのために必要なのは、妊娠前の女性の皆さんから、ここまで説明してきた、金属汚染、電磁波汚染、化学物質汚染、潜在感染、精神的ストレスを可能な限り減らすこと。その上で妊娠、出産の期間にできる限り現代的な医療の介入を減らすことが必要だと考えています。

(続く)

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