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統合医療やまのうち小児科・内科

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5つの病因論 潜在感染4 果物、生野菜
潜在感染の最後は、生野菜と果物に関してです。今回紹介する内容は、自然食やマクロビオティックなどの玄米食を実践されていらっしゃる方々、とくにローフードを実践されていらっしゃる方々には、耳触りの良い情報では無いかもしれません。しかし、治療をしていく中で、ほぼ間違いなく病気の根本的な原因だと思われるので、批判を承知で書いていきます。

 今回の参考図書は『野菜の裏側』(河名秀郎著・東洋経済新報社)です。

 本ニュースレターを読まれる方々の中には、ローフードを実践されていらっしゃる方も多いと思います。確かに、上手に作られた野菜や果物は、エネルギーが高く、食べると健康になるだろうなと感じます。しかし実際には、現在市場に出回っている、ほとんどの野菜や果物は、生のまま食べると健康を害してしまう恐れがあるようです。その証拠が『野菜の裏側』に〝自然栽培の野菜は腐らない〟という見出しで、カラー写真として掲載されています。きゅうりの腐敗実験の写真なのですが、自然栽培、有機栽培、慣行栽培3種類のきゅうりをスライスして瓶に入れ、10日間放置したものです。自然栽培のきゅうりは、まだ食べられそうな状態なのですが、有機栽培は腐敗してドロドロに液状化しています。慣行栽培はその中間の状態です。実際に実験をしたことがありますが、匂いをかぐと有機栽培のものは糞尿臭がしてすごく臭いです。慣行栽培のものは薬品臭がします。自然栽培のものは、もっと時間をかけると、枯れていって乾いた土の匂いになっていきます。

 なぜこのような結果になるかというと、慣行栽培でも有機栽培でも、一般的に、家畜の糞尿を発酵させてつくる「動物性肥料」が大量に使用されているからです。現在の一般的な畜産や酪農では穀物を飼料として与えるため、排泄物に農薬やポストハーベストの成分が残留する可能性があります。また日本は「抗生物質大国」で、動物用に使われる抗生物質は年1290トン(2011年)になるといわれています。そういう状態の家畜の糞を有機肥料の原料として使用すると、微生物の働きが悪くなって醗酵が進みにくくなり、完熟堆肥にはなりません。つまり通常の有機栽培や慣行栽培の畑には動物の糞由来の細菌、ウィルス、真菌(カビ)、寄生虫等がたくさんいることになります。作物の中にもそれらの微生物が侵入し、腐敗するために、糞尿臭がするのだろうと考えています。

 以上のことから、通常の有機栽培や慣行栽培のお野菜、果物には動物の糞由来の微生物が混入していると考えられるため、当院では無農薬無施肥(無肥料)のお野菜や果物以外はしっかり加熱調理してから食べるように指導しています。

 ローフードを実践されていらっしゃる方は、加熱食では酵素が不足すると心配されるかもしれませんが、本来、酵素は自分で作り出すことができるものですので、その心配よりも動物由来の(悪玉)微生物を体に取り込まないことのほうが、健康のためには重要だと考えています。どうしても生食を希望される場合は、無農薬、無施肥(無肥料)のお野菜や果物を手に入れてください、と説明しています。

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