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統合医療やまのうち小児科・内科

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「世界を平和にするための一つの方法」その2

「世界を平和にするための一つの方法」その2

 子どもの自己肯定感を高めるために、母親(母なるもの)の愛情が必要であるというお話でした。

基本的に子どもは、母親の愛情が100%自分に向いてほしいと思っています。生まれてからしばらくは、自分一人では生きていくことができないため、母親(母なるもの)に世話をしてもらいながら、愛情をもらいます。お腹が空いたらおっぱいをもらう、おむつが汚れたら泣いておむつを替えてもらう、寂しくなったら抱っこしてもらう・・・こうしたやりとりの中で、自分が満たされる感覚を取り戻しているのだと思います。この状態が続けばよいのですが、成長とともに、母親(母なるもの)の愛情が自分以外のところに向いている時があると気づくようになります。たとえば、炊事、洗濯、掃除などしなければならいことも、気分転換のテレビやスマホも、子どもにとってみれば、お母さんの視線を奪うものです。さらに弟や妹が生まれると、一緒に育つ仲間でもありますが、自分だけに向いていた母の愛情を奪う強力なライバルにもなります。

子どもは愛情が自分に向いていないと気づくと、減ってしまった自己肯定感を埋めようと、母親や周囲の注目を得るような行動をとります。赤ちゃん返りや反抗的な態度を取ったり、逆にとてもいい子を演じる場合もあります。この時に心の不足感に気付いて、しっかり愛情を伝えることができないと、心の偏りが生じます。子どもにとって、母親の愛情がなくなること(なくなったと感じること)は「死」とほぼ同義なので、同じような心の傷を受けないように、心に鎧をつけてしまいます。例えば、がまんしてしまう、必要以上に頑張ってしまう、ひねくれる、キレやすくなる、などです。成長の過程で自己肯定感が満たされないままだと、大人になってもその心の傾向はつづきますし、さらにこじれていくこともめずらしくありません。思春期に自己肯定感が不足していると、その埋め合わせに、大人の注目を得ようとしたり、より刺激の強い遊びを求めるようになります。夜遊び、いじめ、万引き、非行、喫煙、ドラッグなどなど。更に進むと、リストカットなどの自傷行為や家庭内暴力。自己肯定感が完全になくなった時(たとえば親に完全に見放されたと感じた時)に自殺や無差別殺人につながってしまうのだと思います。

 ではどうすればそのこじれた心は解消できるのか?まず子どもに対しては、やはり母親の愛情がキーとなります。患者さんに説明するとき、キャッチボールのたとえをするのですが、「子どもは愛情のボールを受け取るのが下手で、親御さんは愛情のボールを投げるのが下手だという前提でいてください」と言っています。なので、親の立場からできることは、子どもに対してボールを胸の真ん中めがけて「受け取ってくれるまで」何度も投げることです。具体的にはギュッと抱きしめて「大好き」と言ってあげてください。一度ひねくれてしまったお子さんの場合は、素直に受け取ってくれない場合がありますが、内心は絶対に嬉しいはずです。もし「嫌だ」と拒絶されたり、「本当に??」と疑問を持たれても、めげることなく何度も何度も伝わるまで続けるしかありません。そして大切なのはその大好きに条件を付けないことです。いい子にしていたから大好き、勉強ができたから大好き、1等賞だから大好き、、、では気持ちは伝わりません。つづく

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