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統合医療やまのうち小児科・内科

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不登校の話の続き
不登校の話の続き
前回は、周りのお子さん(世間)や兄弟と、不登校をしている子どもを比較しないでくださいという話でした。
先日ちょうど息子の幼稚園で、不登校と自己肯定感の話を聞いたので、その一部を紹介します。
 
不登校になるとご家族も大変ですが、本人が一番つらい思いをしています。そのつらさのために、様々な症状がでたり、特有の行動をとるようになります。あまりにつらいので日中は部屋に閉じこもって、友人たちがいない夜起きだしたりします(昼夜逆転/引きこもり)。そして一番自分のことを理解して欲しい家族が「学校に行かないのは、問題だ!」といって、自分の気持ちをわかってくれない(と感じた)時、衝動的に暴力をふるうこともあります(家庭内暴力)。また学校に行けない自分のことを、汚い存在だと感じて、何度も何度も手を洗ってしまうという症状が出ることもあります(強迫神経症)。ほかにも、一瞬でもそのつらい現実を忘れるためにゲームに没頭する(ゲーム依存症)。同じような仲間が集まって迷惑行為を行う(非行)。つらい現実から逃げるために薬物を使う(シンナー/ドラッグ)。そして最も避けたい状況になる可能性もあります。あまりにつらいので自ら命を絶つ(自殺)。世間へ仕返しする(無差別殺人など)。
不登校による子供の心のサインを受け取らないことで、より大きな悲劇につながることもあるのです。
幼稚園でのお話で最も印象的だったのは、このような自己否定の道もあるが、自己肯定の道に行ったときには笑顔あふれる人生が待っているということでした。
 
実際の診療で出会う、不登校で苦しむ子どもたちは、競争やかけひきのある空気に馴染めない、純粋な子が多いようです。純粋なだけに、傷つきやすいのです。そんな素晴らしい心を持った子どもたちなんだ、ということに改めて気付いてあげて欲しいと思います。
周りと比較せず、子供の心の"SOS"を受け止めるために、一度立ち止まってお子さんへの愛情を確認することをおすすめしています。「どんなあなたでも、そのまま愛しているよ」という気持ちを忘れないように。
極端な話、「たとえあなたが犯罪をおかしても、あなたの味方だよ」「もしあなたが人を殺して、世間からバッシングをうけても、あなたのことを信じているよ」といえる覚悟を持ってくださいと説明しています。親の愛はそこまで深く大きいものだと信じています。子どもを産んだ時に感じた「生まれてきてくれてありがとう」という気持ちはずっと心にあるはずです。その気持ちを思い出してください。そして、その覚悟があれば、不登校は大きな問題ではなくなります。学校に行こうが休もうが、子どもたち本来の素晴らしさが損なわれることはありません。そして家族に理解してもらい、十分に自己肯定感が高まった時、不登校は終わる……かもしれません。もしかすると全く違う新しい道を選択するかもしれません。でも、大丈夫です。"どんな自分でも素晴らしい!!"という思いに素直に従った選択には後悔はないはずです。

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