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統合医療やまのうち小児科・内科

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思考に気づく 続き
前回は、思考がかげりとなって、本来の魂の輝きを遮っているというお話でした。

 脳=思考は、人が進化してきた中でドンドン発達し、狩猟、採集生活のような目の前の食べ物を採るという段階を経て、記憶の発達とともに、過去の経験を生かして、改善することができるようになっていきました。さらに、未来を予測することで、効率を上げることもおぼえました。過去の記憶を使えるようになると、失敗した時の「後悔」が生まれ、未来を予測することで、将来の「心配・不安」が生まれました。さらに思考は、記憶を使って比較をすることで、「損・得」を判断するようになっていきます。私も含め現代人の多くは「損得」を四六時中判断し、思考し続け、いかに損をしないで生きていくかということに縛られているようです。その最も象徴的なものが「勝ち組・負け組」という言葉にあらわれているのではないでしょうか。「損・得」の価値判断をやめるのは非常に骨が折れる作業ですが、そこから自由になると、本当に日々軽やかに、いろんなものにとらわれないで生きていけます。そのための方法を紹介していきます。

 思考の大半は、目の前にないことをあれこれと考えています。その中でもストレスの大きいものが「後悔」や「心配・不安」です。人生を充実させるために、適度の「後悔」や「心配・不安」は必要なこともありますが、普段からずっと「後悔」や「心配・不安」ばかりだと、心はドンドン暗くなって、人生が楽しくなくなっていきます。つまり、思考(≒後悔・不安・心配)がなくなれば、心は晴れてすっきり気持ち良い状態が続くはずです。

 ここで簡単なワークをしてみましょう。軽く目を閉じて深呼吸します。そして聞こえてくる音に意識を集中します。どんな音が聞こえるでしょうか?最低3つの音を聞き分けてください。空調の音、車の音、誰かの話し声、足音、遠くの工事の音、子どもの遊ぶ声など…そしてその音に対して「うるさいな」とか「なんの音だろう」などの判断をせずただ聞くだけにします(実践してみてください)。いかがでしたか? その瞬間は思考が停止して「いま、ここ」を体験できたと思います。このように、何も判断をせず、意識を過去や未来にとらわれずに、「今この瞬間」を感じているだけの状態が持続できればほとんどストレスを感じることはありません。ではどうすればこの状態を維持できるのでしょうか。

 前回も思考と呼吸の関係について、少し触れましたが、思考で頭がいっぱいになっていると呼吸が浅くなったり、場合によっては呼吸を止めてしまっていたりします。この現象を逆手に取って、できるだけゆったりと深い呼吸、できれば腹式呼吸を続けると、不思議なことに、深刻なことを考えるのが難しくなります。つまり、ゆったりと深い呼吸を続ければ、自然と心は落ち着きます。さらに、思考があっちこっちに行ってしまわないように、呼吸と一緒に「息を吸って私は静か / 息を吐いて私は微笑む」と心で唱えながら、苦しくならない程度にできるだけ長くやってみましょう。

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